「こんな感じでいいのかしら……あなたはどう思う?」
 自信なさげに聞くと、人形はちょっと困ったような顔をして、首を傾げてしまった。
 そうだ。人形に聞いても意味がない。彼女は字が読めないのだから。うっかりしていた。
「うーん……」
 どうせ見せることはないであろう、いつまでも練習でしかないラブレターだが、書くからにはしっかりとしたものを書きたい。
 そうだ。この愛の言葉を、人形でもわかるくらいわかりやすい、絵にしてみよう。
 直感的で、きっとぴぴぴと感じてくれるに違いない。魔理沙も。

「……どうかな?」
 こくこく。
 人形は満足そうに頷いてくれた。
 やった。嬉しい。久しぶりにいいものが書けた満足感。
 このラブレターは記念に大切に残しておこう。
 そして、手紙の端にラブレター:ファイルNo51と簡単に記して、棚に入れた。