【手】
「……」
すっ。
「……？」
「……」
「何してんだ、アリス？」
「……！ ……手……」
「手？」
「こ、こんなに真っ暗になっちゃってるんだから、手繋いでおかないとはぐれちゃうでしょ。……私は別に、鳥目くらい平気だけどっ」
「何言ってんだ、あいつ倒せばすぐに戻るだろ？」
「こんな状態でばらばらになっちゃって、ちゃんと戦えるの？」
「ああ。――なんだ、もしかしてアリス、怖いのか？」
「！ な、なんでよ、私は、魔理沙のためを思って……あ、いや、そういうわけでも、ないけど……ええと……」
「はいはい。怖いなら素直にそう言おうぜ。私は笑ったりはしないから」
「違うわよ！ も、もう、いいわ。ふん」
――ぎゅ。
「……え」
「手繋いでおかないと、危ないんだろ？」
「……う……ま、魔理沙が、なんだからね」
「はいはい」
【没絵（ひもくじ）】
「なあ、マジでもうやめようぜ。全財産つぎ込む気かよ」
「話しかけないで！ 次こそ……ええ、近づいてきてるはずなのよ。次こそ絶対当たるわ！」
「……はあ……知らないからな……」
「紐の角度……張り……これで間違いない……間違いないわ……今度こそ……」
【ロリス】
「魔理沙ーーー」
「んぁ？ んだよ、アリス、気持ち悪い声で呼びやがっ……て……………………」
「うふふ。どう？」
「……あー。アリスの隠し子か？」
「隠し子なんて酷いわ。あなたがパパじゃないの！」
「な、なんだってー！？」
「って、そんなわけないでしょ。……まだ、少し早いでしょ、そういうのは……ゴニョゴニョ」
「いやまあ。で、なんなんだそれはアリス」
「小さくなる魔法。どうどう？ 可愛いでしょ？」
「小さくなるっつか……いや、そうだな、”小さく”なってるな、うん……間違いじゃないか」
「可愛いでしょ？」
「少なくとも普段のアリスよりはな」
「認めるわ」
「認めるのかよ」
新しい魔法に成功して、アリスのテンションが少しおかしくなっております……