「アリスの腕、暖かくて好きだぜ……」
「あ、ま、魔理沙……っ」
「ねえアリス。私、寒くて一人では寝られないわ。今日は泊まっていって」
「え……ええっ」
「悪い、パチュリー。私のほうが先約なんだ。諦めてくれ」
「あら。先かどうかよりもアリスの意思のほうが大切でしょう?」
「え? え?」
「それこそ話にならないぜ。アリスは私のことが……好きなんだからな」
「都合のいい御近所さんとして、ね。貴女、アリスがどうしてわざわざこんな遠い私のところまで通ってくれているか考えたこともないのかしら?」
「本のためだろ?」
「呆れるわね。ねえアリス。貴女から言ってあげなさい」
「ちょ、ちょっと、待って……え、えと……」
「アリス。びしっと言ってやれよ。そういう勘違いは迷惑です、ってな」
「同じ台詞が貴女に届くだけよ。ねえ」
「え……あうう……二人とも、やめて……わ、私は……その……二人とも、好きだから……ね?」
「アリス……」
「アリス……」
 ぎゅ。
 ……ちゅ。
「きゃっ!?」
「仕方ない。今日は三人で寝るか」
「仕方ないわね。私のベッドだから、私が配置は決めさせてもらうけど」
「おいおい。ここにきて独占するつもりか? 仲良く半分こしようぜ」
「……今回だけよ」
「私の台詞だ」
「あ、あうう……」





 ――という。
 夢を見た。
 さすがにちょっと凹んだ。
 ついでに起きたら人形が真っ赤な顔をして私の顔をちらちら見たり目を逸らしたりしていた。
 何か危険な寝言でも言っていたのだろうか。
 ますます凹んだ。