「っ……!?」
 突然。魔理沙の体を、異様な感覚が襲った。
 本当に唐突だった。普通にのんびりとした昼下がりに、霊夢と一緒にお茶を飲んでいただけなのに。
「? 魔理沙、どうかしたの?」
 突然びくっと震えた魔理沙に、テーブルの反対側に座る霊夢は首を傾げて尋ねる。
「あ、ああ、いや……なんでもない」
 冷や汗をかきながら魔理沙は答える――が、言葉どおりに何でもなくそのまま収まったわけではなく、その感覚は力を増して襲い続けてきていた。
 その感覚。全身を何か異様なもので撫で回されるような感覚。
 まるで、例えるなら――巨人の手で愛撫をされるような。そして、その巨人の手は、人間の、魔理沙の性感を引き出す場所を確実に知っていた。ただ撫でるだけではない、絶妙な強さで、しかも敏感なポイントを刺激するのだ。
「……っ……ぁ、くぁ……ふあぁんっ」
 目の前に霊夢がいるというのに、その見えない手は、まったくお構い無しだった。
 明らかな意思を持って、魔理沙を感じさせようとしている。
 こんな場所で、いきなり、この感覚に身を任せるわけにもいかず、魔理沙は必死で堪える。とにかく、変な声を出してしまわないように。
 見えない巨人の手は、そんな魔理沙の努力を嘲笑うように、服の存在などおかまいなしに、脚の間を撫で上げていって――そしてついに、そこに辿り着いてしまう。
「んんん……ッ!! ッ……! んぁっ……!!」
 太い指で、擦り上げられ、押し付けられ、それまでにまったく感じたことがないほどの強い快感が容赦なく魔理沙を襲う。
「……魔理沙?」
「あ、な、んでも、な……いッ!!」
「ちょっと、全然何でもなくないじゃない。一体――」
「いやっ……来ないで、見ないで……ッ!! ん、あ、ぁ……やだ、やだ、や……ああああああああぁあぁッ……!!」
 ――霊夢の見ている前で。
 魔理沙は、まったく耐えることなどできず、完璧に絶頂まで上り詰めさせられていた。
 震え、涙目になる魔理沙に、しかし、まだ巨人の手はその動きを止めることなく――




「うふふ。魔理沙ってば本当に可愛いわ。今頃どんな顔を見せてくれているのかしら。今度はちゃんと確認してあげないと」
 アリスは人形を弄り回しながら、薄く笑う。
 くすくすと、楽しそうに。
「魔理沙が悪いのよ。私のことだけを見てくれないから――巫女なんかと楽しそうにお茶飲んでたりするから、ね」
 人形に唇を近づけて、ぺろりと頬を舐める。
「愛してるわ――魔理沙。魔理沙は、私だけのものよ――」