「……ゆういちー?」
 ひらひら。
 ひらひらひら。
 じー。
 …………
 ……
 ひらひら。
「お母さん、祐一が壊れちゃった」
「あらあら」
 祐一の目の前で21回手を振ってみせたところで、名雪は諦めた。ぴくりとも反応が無い。意識が完全に別世界に飛んでいるようだ。
 これといって害があるわけでもないので気にせず食事を続けていればいいのだが……実際のところ、隣でここまで呆けられると気になって集中できずに味覚も鈍くなるというものである。
 むー、と名雪が唸る。
 朝と違って夕食はのんびり食べてても平気とはいえ、ゴハンもおかずも放っておけば当然冷めるのである。冷めるとおいしくなくなるのである。それはもったいない。
 もっとも、今の祐一の様子では味が分かるのかどうか疑問だが。今ならこっそり「あのジャム」を与えても普通に食べきってしまうかもしれない。
 ――ともあれ。
 帰ってきてからずっとこの調子だ。
「悩み事でもあるのかな?」
 最も自然な発想をしてみる。
 祐一がたまに自分の世界に入り込むことがあるのは、名雪も何度か経験済みだった。大抵は何か難しい悩みを抱えている時だ。
 ただ、こんな風にただ呆けている事は今までになかった気がする。本当はこういう時もよくあって、今までがたまたま見なかっただけかもしれないが。
 と。
 ぴくり、と祐一の箸を持つ手が動いた。呪縛から解き放たれたように。
 名雪は顔を上げて祐一の顔に注目する。
 しん……と空気が固まる。
 祐一が、ゆっくりと口を開く。
「……考え事をしていた」
「見れば分かるよ」
「そうか」
 それだけ言うと、何事も無かったかのように箸を動かしてかぼちゃを口に放り込む。
 後は、黙々と普段どおりの食事を続ける。
 名雪が軽く首を傾げる。
「ね、祐一。悩み事があるならわたしが聞くよ? 今日何かあったの?」
「ん。いや、いい。大丈夫だ」
 即答された。
 一気にまどろみから覚めたように、極めていつもどおりに箸を進めている。
「……そう」
 名雪は少し寂しげに目を伏せる。
 箸を持つ手が下がる。
 はぁ……と小さく、隣に座る祐一にも気付かれない程に小さくため息をつく。

「ごちそうさま」
「お粗末様でした」
 食事後の風景。
 祐一が無機的に自分の食器を持って流しに運んでいく。
「ごちそうさまー」
 名雪も少し遅れで食べ終わった。前半、後半、それぞれ違う意味で気になる事があってあまりよく味わえなかった。もったいない。
 ことん。箸を置く――
「名雪」
 流しのほうから、声が聞こえた。
 今日はまだ聞き足りない祐一の声。朝起きた時にはもう出かけていたから今日はほとんど会話も無いまま。
 少なくとも、祐一のほうから声をかけたのは今日はこれが初めてだ。
「何?」
「……心配かけてごめんな。それと、俺は名雪を信頼してないわけじゃない。ただ、相談してどうこうという話じゃなかったからな。気持ちは嬉しいから……ありがとな」
「……へ……?」
 一瞬、何を言ったのか分からなかった。
 しばらく考えた。
 ――そして、祐一が姿を見せないまま話している理由をすぐに悟った。
 ぽかん、とした。
「ゆ、祐一!? ど、どどどうしたの!? 祐一がそんなに優しいなんて!?」
 がたん。
 思わず机を揺らして勢いよく立ち上がる。
「……言うんじゃなかった」
 今度はもう少し遠くなったところから苦い声が聞こえてきた……
 にこにこスマイルで、名雪も流しのほうに歩く。祐一がお茶を入れていた。
「冗談だよ?」
「思い切り本気だったろ」
「うん」
「……」
 はぁ。
 今度は祐一がため息をつく番だった。


「祐一、昨日は普通だったよね……むしろなんだか元気いっぱいなくらいだったのに。なんか今日は大人しくなって普通の健全な男の子みたい」
 むぅ、と名雪がリビングのソファに深く腰掛ける。
 祐一本人はもうすぐに2階に上がっていた。まあ、珍しいことでもない。
 つまり、今名雪が話し掛けている相手は、母親秋子だった。
「そうねえ」
 と、返事した秋子は冷蔵庫から何やら掌サイズのビンを取り出してきていた。
 オレンジ色の物質が詰まったビン。
 ぴしっ……と、それを見た名雪が明確に硬直した。
 秋子はそれを机の上に置いて座ると、しばらくそのまま眺める。
 くるり、とビンを半回転させる。
 頬に手をあてて、またしばらく眺める。
 そしてすっと立ち上がるとまたそれを手に持って歩き出した。
 ぱたん。見えないところで冷蔵庫が一度開き、そして閉じる音が聞こえた。
 そして、歩いて戻ってきた。
 冷や汗を流す名雪と机の向かい側にまた、すっと座る。
「あの様子は――恋愛絡みね」
「えと……お母さん……今のジャムの意味は何――って、え、恋愛絡み!?」
 前者と後者、どちらがより重要な疑問なのかは極めて判断が微妙であると言わざるを得ないが。
 とりあえず、当面は祐一だった。
 恋愛関係と聞いては無視するわけにはいかない。
「真剣に恋に悩む男の子の顔だったわねえ……それだと、祐一さんがいくらデリカシーに欠けるからと言っても名雪に相談はできないわね?」
 割とさらっと酷いことを言った。
「うー……」
 別にそうであると決まったわけではないのだが、母がこれだけ断定して言うのを聞くとすでに決定事項のように感じられる。いや、おそらくはその通りなのだろう。自分の母親の洞察力は驚異的なものがあるのだ。
 実はもうその相手が誰かすら勘付いているかもしれない。そう思わせるほどに迷いのない言葉だった。
「誰だろ……あゆちゃん? 栞ちゃんかな……それともあの様子だと偶然初恋の人に再会したとか……」
 呟く。
 今まで自分が会ってきた、祐一と仲のいい女の子の顔が次々に浮かんでくる。……改めて考えてみると、実に選択肢が多いことに気付く。
 とは言え、そのほとんどが2年生のうちに、僅かな期間に会った顔だった。
 3年生になってから祐一とクラスが離れ、また選択授業もほとんど被らないせいで学校で祐一と会う事は滅多に無くなっているのが現状だった。その間に何があったとも知れないのだ。
 加えて、家でも話をする機会は意外なほどに少なくなっている。お互い受験生になって勉強時間をある程度取るようになったという以上に、最近の祐一はよく勉強している。ついに先日の実力試験では、ギリギリとは言え掲示板に名前が載るほどになったのだ。相当頑張っているというのは疑いようがない。
 結局のところ、推理するに足る材料は手元にはない――
 ぽふ、とソファの背を軽く叩く。
 うーん、と大きく伸びをした。
「祐一……モテるんだなぁ……」
 もしかするともう誰かと付き合っているのかもしれない。例えば今日はその彼女と会っていて、ケンカでもしてしまったのかもしれない。
 一緒に住んでいるのに、そんな事も分からないのだ。案外、聞けば教えてくれるかもしれないが……
「名雪」
 ふと、名前を呼ぶ声。
 にゅう……と軽く突っ伏していた名雪が顔を上げると、薄く微笑む母の顔がそこにあった。
 軽く顎を引いて、拳を握り締める。
「捕まえるなら、早いほうがいいわよ」
 ……突飛な言葉ではあったが。
 その意味は容易に理解できた。
 秋子は、名雪の気持ちのことはしっかりと知っているのだから。
「……はふ」



「ありがとう。結構楽しかったわ」
 香里は笑顔で言ってくれた。
 今日はそれだけで満足だった。嬉しかった。――欲のないことだ、と自分で思うが。
「また誘ってくれ――とは言わないのか?」
「それは相沢君の頑張り次第ね。ま、それに、受験もあるんだし、そうそう気軽に遊んでるわけにもいかないじゃない?」
「……こんな時までそういう話するなよ」
「あらごめんなさい。でも現実逃避はよくないわよ」
「……うぅ」
 せっかくのデート終了後、別れの時間、キレイな夕焼けもこんな言葉で飾られたら台無しだ。
 香里にそんな情緒を期待するほうが無駄なのかもしれないが――

「なあ、香里」
 人気のない公園。
 正しく言えば、目に見える範囲に何人かはいるのだが、公園自体が広すぎてなんとなく寂しく感じられるのだ。
 二人がけのベンチの上で、ぎゅっと自分の手を握り締める。
「何かしら?」
「俺……やっぱ、好きだわ。香里の事」
 言葉は、驚くほど素直に出た。
 雰囲気があったのかもしれない。今だからこそ言えたのは間違いない。
 この機会を逃すと、またずっと後になってしまいそうだったから。
「……うん。ありがと」
 言葉は、あまり間を置かず返ってきた。ありがたい事だった。この待ち時間は1秒でも苦痛になる。
 香里は目を細めて、少し先の地面を見つめていた。
 ちらりと覗いた香里の横顔は、夕日を逆光に浴びて、また一段と魅力的に映った――あまりの綺麗さに直視し続けられなくなって、慌てて視線を逸らす。
 顔がみるみる熱くなっていく。
「もう。言ったほうがそんなに照れててどうするのよ」
「……う。わ、悪い……」
 そういう香里の顔も声も恥ずかしそうではあったが、確かに少なくとも自分よりは落ち着いているようだった。
 お互い視線を合わせないまま、声をかけあう。
「ふふ。あたしもね、相沢君のことは嫌いじゃないと思う。そうでなかったらここまで付き合ってないわよ」
「……ああ」
 そうだろう。香里にしてみれば義理だけで丸1日付き合うこともないはずだった。途中で切る事はいつでも出来ただろう――香里の性格ならば。
 楽しかったと言ってくれたのだから、本当に楽しんでくれたのだろう。
 香里は、空を見上げた。
「でもあたしはまだ相沢君の気持ちには追いつけないかな……ううん。楽しかったわよ、今日も。教室で話するのも、一緒に勉強するのも。でも……違うの。ねえ、あたし達、まだこのまま友達でいられないかしら?」
 彼女の横顔は、本当に美しい。

「……どうして」
 他の言葉は出なかった。言葉を整理する余裕がなかった。
 まださっきの声が全部は自分の元に届いておらず、ゆっくりと耳から浸透していっている――そんな感覚。
「嬉しいのよ。本当に。ただ……今はあたしが恋愛できる状態じゃないの、多分ね」
「受験か……?」
 こくん、と香里が頷く。
 なるほど……それは香里らしい答えかもしれない。
「それだけが原因と言い切れるかどうかは分からないけどね。分からないけど……あたしにはまだ、今の相沢君みたいな目ができる自信はないわ」
「それじゃ……今がダメなら受験が終わればいいんだな」
「どうかしら」
 香里の、余りにも早い返事。
 それは香里の気持ちが、必ずしも「執行猶予」ではない事を証明する。今はまだ待って、と言っているわけではないのだ。未来への継続を暗示する言葉ではなく、それは現在完了の証。

 ここに至って悟った。まだこの恋はレールに乗り始めてもいない――

「そんな暗い顔しないでよ……あたしが意地悪してるみたいじゃない」
「――悪い。正直、ダメージでかい……」
「……もう」
 すっ……と、隣に座る香里の手が伸びてきた。肩を掴んで――そっと、引き寄せる。
 ちょうど自分の顔が香里の肩によりかかる格好になる。
 ああ。傍から見ればきっととても仲のいい恋人同士なんだろう……なんて、考えてしまう。
 香里の肩は、温かい。
「今後一切付き合えないって言ったわけじゃないんだから。あたしは今の気持ちを言っただけ。これからもずっと今のままなんて保証はどこにもないわ」
 たった今フラれたばかりだというのに。
 香里の手はとても気持ちよくて、そのまま甘えてしまいそうになる。
「1年後にはあたし達恋人同士になってるかもしれないし、今よりもずっと信頼しあえるいい友達になってるかもしれない。ただ、今は今まで通りの友達のままでいたいの。あたしはまだ……友達として相沢君を必要としてるの」
 慰められているのだろうか、とも思った。
 実際、悲しいはずなのに、恥ずかしいのに、気持ちは不思議なほどに落ち着いてゆく。
 だけど、この言葉に込められた意味はそれだけじゃない。
 香里の意思表示。
 ただ断ったわけではない。断りの言葉の常套文句として友達という単語を使ったわけではない。
 今の美坂香里に取って、今の相沢祐一は大切な友達だという事。
「まあ、先の事はあたしも知らないわよ」
 そして彼女はそっと体を離し、ぽん、と軽く肩を叩いて、立ち上がった。
 夕日が沈みかけていた。
 くる、と体を反転させ、真正面から目を見つめてくる。
「さて相沢君。次は全国統一模試なわけだけど。目標は?」

 ……この展開で、この台詞だ。
 まさしく目の前にいるのは、美坂香里だった。
「……そうだな。それじゃこの模試で成績優秀者リストに俺の名前が載ったら、またデートしてくれるか?」
「ふふ。やる気があるのは結構だけど、それは今の相沢君じゃ無理よ」
 全く遠慮のない指摘。
 さすがに苦笑する。
 全国統一模試でリストに名前が載るという事は、全国3000位以内に入るということだ。学内の学年50位とはまたレベルが一段違う。あれに名前を載せるには、この学校の場合校内で15位以内を目指すのとほぼ同義である。ほとんど学年トップクラスの仲間入りが条件だと言っていい。
 ちなみに香里は一度だけ全国100位以内にも入った事がある。当然こちらでも校内順位はトップだ。
「そこまで狙うなら、報酬がまたデートじゃ足りないんじゃない? もっと凄いモノのほうがやる気出るんじゃないかしら?」
 凄いモノ。
 なんだろう。
 ……思わず目の前の黒いワンピースを見つめてしまう。
「凄いのか……」
「……エッチ」
「何も言ってないぞ」
「体目当てだったのね……悲しいわ」
 手で自らの体を抱え込んで、一歩下がる。
 さめざめ、と嘘泣きしてみたり。
「……」
「……」
 ばさばさばさ……
 ハトが飛び立っていった。
 日がほとんど沈む。既に暗くなり始めていた。
「――ちなみにあたしスタイルにも結構自信あるのよ?」
「誘惑してるし」
「事実を言っただけよ」
 大した自信だった。まあ、確かにその自信に見合うだけの要素は十分にあるのだが。
 ……会話がなんだかよく分からない方向に向かっている。
 そういえば、これが普段の通りの自分達の会話だった。デート中は少し固くなっていたところがあったかもしれない。なんだか、今になって日常に戻ってきたような気がする。
 友達、として。
「まあ、でも、そうね。相沢君の願いを叶えるばかりじゃ不公平よね? 次はあたしの番かしら」
 ふむ……と手を口元に当てて考えている。
 疑問系で言っている割に、既に決定事項にしているらしい。
「それじゃ、あたしの目標は全教科1000位以内、で。何をしてもらうかは、その時に決めるわ」
 ただ科目総合で競うより厳しい目標になる。総合の場合は一つ飛びぬけた数字があればそれが大きく他のミスのぶんもカバーしてくれるものだが、全てを1000位以内にとなるとこれは厳しい。たまたま簡単な試験だった場合、完璧に出来ていたつもりでも2問ほど不注意ミスで間違ってしまったらもう上位1000人から落ちることになるものだ。
 香里にとってみれば実力をいかに正確に発揮できるか、という目標であると言える。
「……結果が出てから中身を決めるのはずるくないか」
「あら、あたしは後攻なんだしそれくらいは優遇されてもいいんじゃない?」
 それくらい、というレベルなんだろうか。
 疑問ではある。
「いいけどな、別に」
「じゃあ決定、と」
 うん、と香里が小さくガッツポーズしてみせる。
「それじゃもう暗くなっちゃったし、帰るわね」
 ひらひらと元気良く手を振る。
 見事なまでに、お友達としての別れ方だ。会話の切るタイミングといい、あっさりした態度といい。ある意味で理想的な友人関係かもしれない。
 そんな事を考えてしまって、また複雑な気分になる。
「じゃ、また明日学校でね。おやすみ」
「ああ……おやすみ」
 だからと言って、今ここで付け加える言葉もない。普通に話を出来てはいるが、フラれた直後である事に違いはないのだ。今更何を言う事があるだろうか。
 まだベンチから立ち上がらないまま、くるりと背を向けて立ち去る香里の背中をぼんやりと眺めていた――



 と、そんな別れの場面が何度も何度も頭の中でリピートされる。
 ベッドに倒れこんで枕に顔を埋めたまま、時折恥ずかしくなってうーうーと唸る祐一の姿がここにあった。
 思い返すと、やはり何より大きく悔やまれるのは、軽くとは言え告白してしまったことだ。
 香里の言葉を総合して考えるに――要するに、まだ時期尚早だったのだ。早すぎた。
 冷静に考えてみると、どう考えてもまだ告白すべきではなかった。友達の状態からまだ一歩踏み出したかどうか確認も出来ていない状態に過ぎなかったのだ。思えばこれは当然の結果なのかもしれない。
 ともあれ、結果として残ったのは、フラれたという事実。
 人生初めての体験なこともあって、結構凹むものだ。
 帰ってきてすぐは夕食で、家族――名雪と秋子、二人がいたからまだ気持ちに余裕があったのかもしれない。こうして部屋で一人になってみるともう回想シーンと後悔が止まらない。
 あの時こうしていたら。無意味なシミュレーション。
 ぼふぼふ、と枕を殴る。埃が舞った。

 ………
 ……

「……勉強するか」
 30分ほどもそうしていたあと、むっくりと起き上がる。
 結局今は、やれる事をやるだけだ。こうなったら意地でも3000位以内を目指してみせよう。
 今となっては、別れ際の最後の会話が一番の元気の素だった――



「言い忘れるところだったわ」
 少し歩いたところで、香里がまた振り返って言った。
 ふわり、と長いスカートが舞った。
 笑った。
「あたし、初めてのデートの相手が相沢君で本当に良かったと思ってるわ。緊張しちゃったけど、優しくしてくれてありがとうね」
「……初めて?」
「うん。意外だった?」
「かなり、な。香里モテてそうだし……絶対」
「お生憎様。あたしの初めては相沢君のモノになっちゃったわけよ」
 にひ、と笑む。既に周囲は暗くてはっきりと表情は読み取れないのだが。
「……変な言い方するな」
「あら、顔赤くしちゃって。純情派ー」
「うっさい」
 でも。
 勝手かもしれないが、嬉しい、と思った。
 もちろん、こんな事で満足していてはいけないのだが。
 それでも、今日という日の意味は大きかったのだと思えるだけでも救いになる。
 少しだけ体が軽くなったような気がした。
「これからもよろしくね、相沢君」
 色んな意味で。



続く。